ビジネス分野における最強のスキルは「聞く力」
by 中村 仁 / 2017.07.28
「この人、ええアドバイスしてるなぁ~」と、人の話を聞いていて感じることがあります。
■世の中には、各部門の専門家たちがいて、彼らのアドバイスは貴重です。
でも・・・クライアントの表情をじっと見ていると(人の表情観察が趣味です)、どうやらありがたいとは思っていないようです。
なぜだろう?あなたはなぜだと思いますか?
■もし、あなたが男性だとして、女性から相談を受けた際、
あなた:「それはアカン。○○した方がいいよ」とかね。
で、女性から
「はぁ~、アドバイスいらんねん。聞いてほしかっただけだから」
と言われたしまったことは?(汗)
■彼女は話をしてストレスを発散したかっただけなのかもしれません。
あるいは、話をしながら整理したかっただけなのかもしれません。
はたまた、最初の段階で、「アドバイスが必要?それとも、聞くだけでOK?」と聞いておけば、アドバイスを聞く体勢になっていたのかもしれません。
■たとえあなたが経験したことがあって、よかれと思ったアドバイスであっても正論は危険です。
家族関係、友人関係であれば、まだラポールが築けているため大きな問題にはならないのかもしれません(状況によるけど・・・)。
■コンサルティングの分野でも、気をつけなければ、男女の相談と同じようなことになりかねません。
しかも、ラポールが築けていない関係性の中で、話す機会もあるわけですから、
正論を振りかざすと、(専門的アドバイスね)相手が怒り出すことすらあるんです。
私も体験したからわかります。(泣)
■あなたにとっては、相手の問題を解決してあげようと、悪気なく、むしろ、貢献の気持ちからアドバイスしてあげるんですけど、
余計なお世話だと思われてはなんの意味もありません。
■クライアントが実行しないアドバイスなんて弊害以外の何者でもない。
契約が短期で切れてしまい、収益が上がらないコンサルタントは正論を振りかざしているのに気づいていません。
コンサルタントに必要な能力は、話す力以上に、まず聞く力です。
教えちゃいけない、あなたに必要なことは気づいてもらえるよう、待つことです。
■先日も、塾生の一人が、「教えないコンサルティング」の型を学んでいきな既存クライアントに試したそうです。
なかなか勇気がいりますね。
うちの塾では、先に塾生同士で試して成功・失敗体験を積んでからやってもらいますから。
彼も元はアドバイスをするタイプで、クライアントがなかなか動かないという悩みを抱えていました。
しかし、型を使うと・・・突然、2社のクライアントから、LINEでコンサルティングに関するお礼の連絡が来たそうです。
(LINEで連絡取り合うのが新鮮ですね。笑)
今までお礼なんて来たことないと言ってました。
相手に聞く姿勢を作れたのでしょう。
彼はどうやってクライアントから信頼を得たのか?
■カギは着眼点に基づいた質問力にあります。
あなたが日々どのような着眼点を持ち、そこから派生する質問をくり出すか?
アドバイスが欲しいか決めるのはクライアントです。
やるかどうかを決めるのもクライアントです。
着眼点に基づいた質問をして、クライアントがどうしたいのか?
クライアント自身にリーダーシップを発揮してもらってください。
■これはコーチングではありません。
クライアントの姿勢が変わったら、
理想の状況を達成するための方法をクライアントとともに作っていきましょう。
これができるのは、知識を知恵にまで昇華しているコンサルタントだけの特権ですから。
あなたのコンサルティングの成果、そして、収入も必ず変わってくるはずです。